2026.08.01
仕事を休みたいと思ったら読む記事|休職診断書の流れと取り方
「もう仕事に行けそうにない」「限界かもしれないけど、どうすればいいか分からない」——そう感じながらも、「診断書ってどこでもらうの?」「会社に何を伝えればいいの?」と、手続きの分からなさから踏み出せないでいる方は少なくありません。
体や心が悲鳴を上げているときに、制度の調べ方まで考えるのはとても大変です。本記事では、休職を考え始めた方が「次に何をすればいいか」を迷わないよう、診断書の取り方から会社への提出・お金の問題まで、南行徳メンタルクリニック院長・川向哲也がひとつひとつ整理してお伝えします。
■ この記事でわかること
1. 「休んでいい」と思える状態の目安
2. 診断書はどこで・どうやってもらうか
3. 会社への提出と手続きの流れ
4. 休職中のお金の問題(傷病手当金)
5. 休職中の過ごし方と復職に向けて
■「休んでいい」と思える状態の目安
「自分はまだ休むほどじゃない」「もう少し頑張れるはず」——こう思って受診や休職を先延ばしにしている方が、当院にもよくいらっしゃいます。しかし「限界まで働いてから休む」は、回復をより長引かせることになりがちです。
以下のような状態が続いているなら、休職を含めた選択肢を医師と相談する段階にあります。
・朝、起き上がれない。出勤しようとすると体が動かない
・涙が突然出る、感情をコントロールしにくくなった
・仕事のことを考えるだけで動悸・吐き気・過呼吸が起きる
・2週間以上、ほとんど毎日気分が落ち込んでいる
・「消えてしまいたい」という気持ちが浮かぶことがある
・睡眠が取れない、または過眠が続いていて生活に支障が出ている
「これくらいで受診していいのか」と感じるかもしれませんが、こうした状態が続いているなら、むしろ早く動いたほうがいいです。精神科・心療内科は重症でなければ来てはいけない場所ではなく、「つらくて困っている」という状態であれば十分に受診の理由になります。
■診断書はどこで・どうやってもらうか
◆ どの医療機関で取れるか
休職のための診断書は、精神科・心療内科・かかりつけ内科など、医師が在籍する医療機関であれば基本的に発行できます。ただし、精神的な不調が原因の場合は、精神科・心療内科での受診が診断の精度と診断書の信頼性の面から適しています。
「精神科に行くのは敷居が高い」と感じる方もいますが、最近はメンタルクリニックという形で、より気軽に相談できる環境が増えています。南行徳メンタルクリニックにも、市川市・浦安市・船橋市・江戸川区・南行徳エリアから、初めて精神科を受診するという方が多くいらっしゃいます。
◆ 初診でも診断書はもらえるか
はい、もらえます。初診当日に状態を聞いて、「休職が必要」と医師が判断すれば、その日のうちに診断書を発行することができます。
ただし、診断名や休職期間については医師が診察内容に基づいて判断するものです。「〇〇という診断名で書いてほしい」「〇ヶ月休みたいので合わせてほしい」といったご要望には対応できませんが、仕事の状況や職場環境についてできるだけ詳しく話していただくことで、医師が状況を正確に把握しやすくなります。
◆ 受診前に準備しておくと良いこと
・いつ頃から・どんな症状が続いているかをメモしておく
・仕事の内容・職場環境・ストレスの原因を整理しておく
・会社が診断書に求める記載事項(期間・診断名など)が決まっていれば確認しておく
・保険証を持参する(初診は自己負担が発生します)
◆ 診断書の費用
診断書の発行費用は保険適用外のため、医療機関によって異なりますが、一般的に5,000円程度が目安です。
■会社への提出と手続きの流れ
診断書を取ったら、次は会社への提出と休職手続きです。大まかな流れは以下のとおりです。
【STEP 1】上司または人事部門に相談・報告する
診断書を持って、まず直属の上司か人事担当者に状況を伝えます。「医師から休職が必要と診断された」という事実を伝えれば十分で、細かい病状を説明する義務はありません。「体調不良のため、医師に休職を勧められました」という一言で問題ありません。
【STEP 2】診断書を提出する
会社が指定する書式がある場合はそれに対応した診断書が必要なこともあります。事前に人事部門に確認しておくとスムーズです。診断書には通常、傷病名・就労不能の期間・発行日・医師の署名が記載されます。
【STEP 3】休職開始・会社の規定に従った手続き
会社によって、休職中の連絡方法・報告の頻度・給与の扱いなどが就業規則に定められています。人事部門からの案内をよく確認しておきましょう。
◆ 「会社に言いにくい」と感じる場合
「上司に言いにくい」「引き留められそう」という不安を持つ方も多いです。そういった場合は、医師やソーシャルワーカーが間に入る形で書面で伝えることもできますし、会社の産業医に相談するルートもあります。一人で抱え込まず、受診した医療機関のスタッフにも相談してみてください。
■休職中のお金の問題(傷病手当金)
休職中は給与が減る・あるいはゼロになるケースがほとんどです。「お金が心配で休めない」という方に知っておいてほしいのが、健康保険の「傷病手当金」制度です。
◆ 傷病手当金とは
業務外の病気やけがにより、仕事を休んで給与が支払われない場合に、健康保険から支給される給付金です。
支給額の目安:標準報酬日額の3分の2(月給のおよそ3分の2に相当)
支給期間:支給開始から最長1年6ヶ月
受給条件:連続3日間の待期期間を経て、4日目以降の休業分から支給
詳細は全国健康保険協会(協会けんぽ)の公式サイトで確認できます。
会社員・公務員(健康保険・共済組合加入者)が対象で、国民健康保険加入の自営業者などは対象外です。申請は会社の担当者や医療機関のスタッフと相談しながら進めることができます。
「傷病手当金があるとは知らなかった」という方は非常に多いです。お金の心配があるからこそ、まず制度を知った上で休む判断をしてほしいと思います。
関連記事:適応障害とうつ病の違いについてはこちら
■休職中の過ごし方と復職に向けて
休職が始まっても、「何もしなくていいの?」「いつ復職すればいいの?」と戸惑う方は多いです。
◆ 休職初期——まず「休む」ことに集中する
最初の数週間は、とにかく体と心を休ませることが最優先です。罪悪感を感じながらも「何か生産的なことをしなければ」と動こうとする方がいますが、この時期に無理をすると回復が遅れます。
・規則正しい睡眠を確保する(何時間でも寝てOK)
・食事は無理のない範囲で摂る
・仕事のメール・連絡はできるだけ見ない
・「回復しているかどうか」の判断は医師に任せる
◆ 回復期——少しずつ活動を増やす
症状が落ち着いてきたら、短時間の散歩・日課の確立・軽い読書など、負担の少ない活動から少しずつ増やします。この段階で「もう大丈夫かも」と感じて急に動き出すと再燃しやすいため、医師と相談しながら段階的に進めることが大切です。
◆ 復職のタイミングは「自己判断」しない
「迷惑をかけているから早く戻らなければ」という焦りから、症状が十分に回復していない段階で復職してしまい、再休職になるケースは少なくありません。復職の可否・時期は必ず主治医と相談して決めてください。会社側も、医師の判断なしに復職を強要することはできません。
■まとめ
・心身の限界を感じているなら、早めの受診が回復への近道
・診断書は精神科・心療内科で初診当日に発行できる場合がある
・会社には「医師に休職を勧められた」と伝えるだけで十分
・傷病手当金(給与のおよそ3分の2)を最長1年6ヶ月受給できる制度がある
・休職中は焦らず段階的に回復し、復職のタイミングは医師と相談して決める
予約はお電話またはWEBで承っておりますので、こちらからお願いします。
初診専用番号:080-9982-7252
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■著者
南行徳メンタルクリニック院長 川向 哲也
<経歴>
・神奈川県立相模原高校卒業
・慶應義塾大学理工学部
・島根大学医学部卒業
・島根大学精神医学講座(助教 医局長)
・石東病院(島根県大田市)(診療部長)
・相模ヶ丘病院(神奈川県相模原市)(副院長)
・秋元病院(千葉県鎌ヶ谷市)(院長)
・2021年4月 南行徳メンタルクリニック開設
・千葉県精神保健福祉センター非常勤医師(措置診察担当)
<資格・所属学会>
・精神保健指定医
・日本精神神経学会
・日本医師会認定産業医
・臨床研修指導医
本記事は、医療機関の経営支援・Web戦略支援を専門とする「株式会社C&D Hub」の取材・編集協力のもと作成しています。