2025.12.13
ADHDとは? 大人になって気づく “集中できない” の正体
はじめに
「なんだかいつも集中できない」「やることが多いのに、いつも後回しになってしまう」「忘れ物が多くて、つい人から注意される」—— そんな悩みを抱えているけれど、自分が「おっちょこちょい」なだけだと思っていた。そんな人のなかに、実は 注意欠如・多動症(ADHD)が隠れていることがあります。
ADHDは子どものころから指摘されることが多かった障害ですが、近年、大人になってから初めて「自分はADHDかもしれない」と気づく人が増えています。特に、千葉県の市川市、浦安市、船橋市、東京の江戸川区、あるいは当院のある南行徳近辺にお住まいの方の中でも、「昔からなんとなく生きづらさがあった」「でも理由が分からなかった」という声をよく聞きます。この記事では、ADHDとは何か、そして大人になってから気づく人が多い理由、さらにどのように対応すればよいかをお伝えします。
ADHDとは — 神経発達の特性としての“注意のむずかしさ”
ADHDは、神経発達上の特徴として「不注意」「多動性・衝動性」がみられる状態を指します。
たとえば…
- 物事に集中できず、ミスや忘れ物が多い
- 予定を立てるのが苦手、締め切り直前になって慌てる
- 一度にいろいろ始めて、どれも途中で終わってしまう
- 衝動的に行動してしまう、思ったことをすぐ口にしてしまう
- 静かにしているのが苦手、落ち着かない
といった“困り感”です。文章を書いていたら気が散ってしまう、会議中に机の上で無意識に手を動かしてしまう、家計簿を続けられない…など、日常の「ちょっとした不便」が積み重なります。
従来「子どもの障害」と思われがちでした。しかし、近年は “大人のADHD” が注目されており、実際に大人の生活・仕事・人間関係に影響を及ぼしている人が一定数いることがわかっています。
なぜ“大人になってから気づく”ケースが多いのか?
■ 幼少期〜学生時代には見逃されやすい
子どものころは、親や教師が「ちょっと落ち着きがない」「忘れ物が多い子」と捉え、注意されながらも「とりあえず成績はとれていた」「生活には大きな支障がなかった」という場合があります。あるいは、テスト直前に頑張ってなんとかこなせていた、というケースも。そうなると、ADHDの“特性”より「性格」「怠け癖」として片づけられてしまうことがあります。
■ 社会生活での要求が増えると“ずれ”が顕在化する
大人になると、仕事、家事、家計管理、人間関係など、子どもの頃にはなかった「複数のタスクを同時にこなす」「時間管理をきちんとする」「周囲とのやりとりを円滑にする」といった能力が求められます。特に都市部— 当院のある南行徳や、近隣の市川市、船橋市、浦安市、江戸川区などでは、通勤、子育て、家事など忙しい日々を送る人が多く、ほんの小さな“ズレ”が生活のストレスとして大きくなることがあります。
また、ある研究によれば、ADHDの症状は子どものころに出ていたとしても、成人後も 40〜70%の人で持続すると報告されています。つまり、「子どもの頃は分からなかったけど、大人になって症状がそのまま残っていた」という人が多いのです。
■ 周囲の理解や診断のハードル
さらに、日本では大人のADHDについての認識が十分とは言えず、「自分はただ怠けている」「気が散りやすい人なんだ」と思い込んで、診断に至らない人も少なくありません。気づかないまま「自分はダメな人」と自己肯定感を下げてしまうケースもあります。
ADHDがもたらす影響 — 日常や仕事、人間関係に出る“困りごと”
大人のADHDは、次のような場面で悩みをもたらすことがあります。
- 仕事で集中力が続かず、ミスや締め切り遅れが増える
- 家事や片付けが後回しになり、生活が散逸しがち
- スケジュール管理や予定調整が苦手で、友人や家族との約束を忘れやすい
- 同僚や上司、パートナーから「だらしない」「責任感がない」と誤解される
- 自己肯定感の低下、ストレスや不安感の増加 — その結果、うつ病や不安障害など他の精神の不調を招く可能性もある
また、ある研究では、ADHDの人が診断を受けていないまま過ごすことで、仕事の生産性や生活の質が低下する ―― いわゆる“見えにくい負担(burden)”があることが示されています。
そのため、「単に性格の問題」「怠け癖」「年齢のせい」と片づけずに、自分の“困り感”を丁寧に見つめることが大切です。
もし「ADHDかも」と思ったら — 大人のADHDに向き合うためのステップ
① 自分の特徴を振り返る・整理する
まずは、自分の生活や行動を振り返ってみましょう。以下のような点が当てはまるか、可視化してみると客観的に見えてきます。
- 計画や段取りが苦手
- 忘れ物が多い、物をなくすことが多い
- やるべきことに取りかかるのが遅く、先延ばししがち
- 物事に集中するのが苦手、途中で気が散りやすい
- 衝動的に行動したり、言ってしまったりする
- 仕事や家事、対人関係で「自分はだめだ」と感じやすい
こうした振り返りは、ご自身の“特性”を理解する第一歩です。
② 専門機関での診断・相談を検討する
ただの「性格」「性格の癖」ではなく、神経発達の特性によるものかもしれません。診断は、問診や行動観察、発達歴の確認などをもとに行われ、必要であれば心理テストなどが行われます。
とくに、千葉県市川市、船橋市、浦安市、また東京の江戸川区や南行徳近辺にお住まいの方で「昔から生きづらさを感じている」「職場や家庭で困っている」という方は、一度専門医に相談することで“自分の理解”が深まり、支援を受けるきっかけになることがあります。
③ 環境を整える/生活習慣を工夫する
診断の有無にかかわらず、自分が生きやすい環境づくりは可能です。たとえば:
- タスク管理を「小さなステップ」に分ける
- リマインダー、スケジュールアプリ、チェックリストを活用する
- 物の置き場所を決めて、「定位置」を決める
- 休憩や睡眠を大切にして、疲れを溜めすぎない
- 自分の“得意な働き方/集中しやすい方法”を探す
こうした “環境と工夫” は、ADHDの特性があっても、毎日の暮らしの質を大きく改善してくれます。
④ 必要に応じた支援 — 医療・心理サポート
ADHDは、薬物療法や行動療法、生活支援などによって、症状の緩和や生活の改善が可能です。
また、もしも “ただの注意散漫” ではなく、「集中できない」「先延ばししてしまう」「疲れやすい」といった困りごとが日常や仕事、人間関係に大きな影響を及ぼしているなら、本格的な診断やサポートを受ける価値は十分あります。
“気づき”からはじめる — 自分らしく生きるために
大人になってから「自分はADHDかもしれない」と気づくのは、決して遅すぎることではありません。そして、むしろ今までの「できなかった理由」が分かることで、自分への理解が深まり、「無理しすぎず」「自分らしく」生きるための第一歩になります。
千葉県・市川市、船橋市、浦安市、あるいは東京・江戸川区、南行徳近辺にお住まいの方で、仕事や日常で「自分はなぜか上手くいかない」「人とうまくやれない」「疲れやすい」と感じている方 — まずは自分を責めずに、「自分の特性」に目を向けてみてください。
もしよければ、当院 南行徳メンタルクリニック でも、ADHDの相談や診察を受け付けています。
予約はお電話で承ってますので、こちらからお願いします。
初診専用番号:080-9982-7252
著者
南行徳メンタルクリニック院長 川向 哲也
経歴
• 神奈川県立相模原高校卒業
• 慶応義塾大学理工学部
• 島根大学医学部卒業
• 島根大学精神医学講座(助教 医局長)
• 石東病院(島根県大田市)(診療部長)
• 相模ヶ丘病院(神奈川県相模原市)(副院長)
• 秋元病院(千葉県鎌ヶ谷市)(院長)
• 2021年4月 南行徳メンタルクリニック開設
• 千葉県精神保健福祉センター非常勤医師(措置診察担当)
資格・所属学会
• 精神保健指定医
• 日本精神神経学会
• 日本医師会認定産業医
• 臨床研修指導医
参考リンク
- ADHD — 発達障害ナビポータル