2025.11.29
職場のストレスで限界…それは「適応障害」のサインかもしれません
「朝になると体が重くて布団から出られない」
「職場に近づくと動悸がする」
「人と話すだけで涙がこみあげる」
最近、こうした不調を感じていませんか?
誰でも仕事でストレスを感じることはあります。しかし、そのストレスが限界を超えると、心身は警告サインを出し始めます。
その一つが**「適応障害」**です。
適応障害は珍しい病気ではありません。むしろ真面目で責任感の強い方ほど発症しやすく、放置すればうつ病へ移行する可能性もあります。
この記事では、南行徳メンタルクリニック院長の川向哲也が、職場のストレスと適応障害の関係、症状、そして受診の目安についてわかりやすく解説します。
■ 適応障害とはどんな状態?
適応障害とは、環境の変化や強いストレスにうまく対処できなくなり、心や体に不調があらわれる状態です。
職場での人間関係、業務量の急増、部署異動、ハラスメント、評価への不安など、原因は人それぞれですが、共通しているのは「明確なストレス要因がある」という点です。
ストレスが続くと、次のような症状が出ます。
- 気分の落ち込み・涙もろさ
- 不安感、焦り、イライラ
- 眠れない、食欲が極端に落ちる
- 職場に行く前だけ体調が悪くなる
- 集中力が続かない、ミスが増える
- 朝になると仕事のことを考えて動けなくなる
特に「休みの日は元気なのに、仕事の日だけ体調が悪くなる」という方は、適応障害の典型的なパターンです。
■ 放置するとどうなる? うつ病へ移行するケースも
適応障害は、ストレスが取り除かれれば改善することが多い病気です。
ただし、環境調整をせずに我慢し続けると、脳の働きそのものに変化が起こり、うつ病へ進行してしまうことがあります。
うつ病は「原因に関係なく気分が落ち込む状態」が続くため、回復までに時間がかかり、生活への影響も大きくなります。
だからこそ、「限界を迎える前に相談する」ことがとても大切です。
厚生労働省も、ストレスによる不調は早期相談が重要であると発信しています。
→ 参考:厚生労働省 みんなのメンタルヘルス
■ 職場でよくある“危険なサイン”
● 朝になると体が動かない
前夜は元気でも、仕事を意識した瞬間に体が固まるように動けなくなることがあります。
● 出勤前の吐き気・頭痛
「会社に近づくと胸が苦しい」という相談も少なくありません。
● 気力がわかない
趣味が楽しめない、家事が手につかないなど、以前の自分との違いに本人が一番困惑します。
● ミスが増えて自己嫌悪に陥る
真面目な方ほど自分を責めてしまい、さらに症状を悪化させます。
こうしたサインは、心が「そろそろ休みたい」というSOSを出している証拠です。
■ 適応障害の治し方 ― 無理に頑張るほど悪化します
① 環境調整
根本原因はストレス環境にあるため、まずは相談しやすい相手に状況を伝え、配置転換や業務量の調整などを検討する必要があります。
② 精神療法
ケースバイケースで、ストレス対処について検討・助言します。
「もう限界」と感じて来院された方でも、話を整理していくことで心が軽くなるケースは多くあります。
③ 薬物療法
症状が強い場合は、抗不安薬や睡眠薬などを併用することもありますが、あくまで補助的な治療です。
薬だけで治す病気ではないため、環境改善と並行して進めていきます。
■よくある質問:仕事は辞めるべき?
結論として、辞める/辞めないは症状や状況を見ながら一緒に考えていくのが安心です。
必ずしも退職が必要とは限りませんし、逆に無理に続けることでうつ病へ進行する可能性もあります。
当院では、職場との距離の取り方、休職制度の使い方、復職のタイミングなどについても、患者さんの生活背景に合わせて丁寧にサポートしています。
■「自分だけ頑張れない」と感じるあなたへ
適応障害は、弱い人がなる病気ではありません。
むしろ 責任感の強い人、周囲に気を遣える人、完璧主義の人 ほど発症しやすい傾向があります。
南行徳メンタルクリニックに来られる方の多くが、まさに「誰よりも頑張ってきた人」です。
だからこそ、限界を感じているなら一度立ち止まってください。
心の不調は、あなたが「これ以上無理をしないで」と教えてくれているサインです。
■まとめ
- 職場の強いストレスで心身に不調が出ると「適応障害」になる
- 放置すると症状が悪化し、うつ病へ移行することも
- 朝動けない、出勤前の体調不良、涙もろさなどは要注意
- 環境調整・心理療法・必要に応じた薬物療法で改善が期待できる
- 無理を続けず、早めの相談が心身の負担を減らす一歩になる
市川市・浦安市・船橋市・江戸川区・南行徳周辺で「限界かもしれない」と感じたら、どうか一人で抱え込まずご相談ください。
予約はお電話で承ってます
初診専用番号:080-9982-7252
著者
南行徳メンタルクリニック院長 川向 哲也
経歴
• 神奈川県立相模原高校卒業
• 慶応義塾大学理工学部
• 島根大学医学部卒業
• 島根大学精神医学講座(助教 医局長)
• 石東病院(島根県大田市)(診療部長)
• 相模ヶ丘病院(神奈川県相模原市)(副院長)
• 秋元病院(千葉県鎌ヶ谷市)(院長)
• 2021年4月 南行徳メンタルクリニック開設
• 千葉県精神保健福祉センター非常勤医師(措置診察担当)
資格・所属学会
• 精神保健指定医
• 日本精神神経学会
• 日本医師会認定産業医
• 臨床研修指導医