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院長コラム

2026.01.10

ADHDと適応障害──職場ストレスの背景に発達特性があることも

「仕事がどうしても続かない」
「注意されるたびに心が折れてしまう」
「周りと同じようにやっているつもりなのに、なぜかうまくいかない」

市川市、船橋市、浦安市、江戸川区、そして南行徳周辺で、こうした悩みを抱えて受診される方は少なくありません。
診断名としては「適応障害」と言われているけれど、話を丁寧に聞いていくと、その背景にADHD(注意欠如・多動症)などの発達特性が関係しているケースもあります。

適応障害は「環境とのミスマッチ」で起こる

適応障害とは、特定の環境や出来事にうまく適応できず、気分の落ち込みや不安、不眠、意欲低下などが生じる状態です。
よくあるきっかけは、

 ・配置換えや異動

 ・上司や同僚との人間関係

 ・業務内容の変化

 ・業務量やスピードへの要求

など、職場ストレスです。

重要なのは、「本人が弱いから起こるわけではない」という点です。
環境との相性が合わなくなった結果、心と体が限界を迎えている状態と言えます。

ADHDの特性は、大人になってから問題になることも多い

ADHDというと、「落ち着きがない子ども」というイメージを持たれがちですが、大人になってから困りごとが目立つ方も多くいます。

たとえば、

 ・ケアレスミスが多い

 ・優先順位をつけるのが苦手

 ・同時に複数の業務をこなすと混乱する

 ・曖昧な指示が理解しづらい

 ・締め切り管理が極端に苦手

こうした特性があると、
「普通にやればできるはず」と求められる職場ほど、強いストレスになります。

本人は真面目に努力しているのに、注意や叱責が続き、次第に自信を失っていく。
その結果として、適応障害の症状が表に出てくることがあります。

「性格の問題」ではなく、脳の特性の可能性

長年、

 ・自分は社会不適合なのでは

 ・何をやっても続かない

 ・甘えているだけではないか

と自分を責め続けてきた方も多いです。

しかし、ADHDは生まれ持った脳の特性であり、意志や根性で変えられるものではありません。
厚生労働省も、発達障害について医学的な特性として整理しています。
参考:厚生労働省「発達障害とは」

特性を知らずに無理を重ねることこそが、二次的なうつ状態や適応障害につながりやすいのです。

診断の目的は「ラベルを貼ること」ではない

「ADHDと診断されるのが怖い」
そう感じる方も少なくありません。

ですが、診断の目的はレッテルを貼ることではありません
 ・どんな環境なら力を発揮しやすいのか
 ・どこで負担が大きくなりやすいのか
 ・どんな配慮や工夫が有効なのか

これを一緒に整理するための手がかりです。

薬物療法が役立つ場合もあれば、
業務内容の調整や環境調整だけで大きく楽になる方もいます。

早めに相談することが、回復への近道になる

「もう少し頑張ってから」
「限界まで耐えてから」

そう思ってしまいがちですが、限界を超えてからでは回復に時間がかかります。
南行徳周辺でも、もっと早く来ていれば違った選択肢があったと感じるケースは少なくありません。

仕事が原因で心身の不調が続いている場合、
その背景に発達特性が関係していないか、一度立ち止まって考えてみることはとても大切です。


予約はお電話で承ってますので、こちらからお願いします

初診専用番号:080-9982-7252


著者

南行徳メンタルクリニック 院長 川向 哲也

経歴
・神奈川県立相模原高校卒業
・慶応義塾大学理工学部
・島根大学医学部卒業
・島根大学精神医学講座(助教/医局長)
・石東病院(島根県大田市)診療部長
・相模ヶ丘病院(神奈川県相模原市)副院長
・秋元病院(千葉県鎌ヶ谷市)院長
・2021年4月 南行徳メンタルクリニック開設
・千葉県精神保健福祉センター非常勤医師(措置診察担当)

資格・所属学会
・精神保健指定医
・日本精神神経学会
・日本医師会認定産業医
・臨床研修指導医